( 要 約 )

平成13年12月11日

T.生涯学習について

1.推進体制の充実について
<質問>
市は、君津市生涯学習推進実施計画を策定し、君津市総合計画に反映し、精力的に取り組んでいるが、現在どのような推進体制で取り組んでいるのか。

<回答>
 平成6年に生涯学習推進本部を設置し、生涯学習推進協議会をはじめ社会教育委員会や公民館運営審議会、あるいは青少年問題協議会や文化財審議会などを推進体制の中核として位置付け、市民ニーズの把握や施策の方向性等について意見集約を行ない、関係団体や市民とのパートナーシップの構築を目指してきた。
 21世紀の参画型社会に向けて、市民の多様な学習活動が、自己実現のみならず、学習成果を社会に還元することによって、地域の活性化や連帯意識の向上につなげるため、市民が相互に支えあう生涯学習推進体制や行政内部での部局横断的な協力体制づくりの実現に努めていく。
 なお、第2次生涯学習推進実施計画に続く、新たな指針計画を策定していく。

2.施設の整備について
(1)中央公民館の建替えについて
<質問>
 中央公民館は、昭和39年に建設されて以来、生涯学習の拠点として多くの市民の皆様が利用されてきているが、建設されて約37年が経過し、設備をはじめ全般に老朽化が激しいことと併せ、部屋も少なく、多くの利用者に対応しきれていない。
 市は、こうした状況の対応として、君津中央公民館改築調査費を計上し、検討に着手しているが、現段階における進捗状況について聞きたい。

<回答>
 改築が必要とされる君津中央公民館については、広く市民の意見を聴取するため、市としての基本的なコンセプトづくりが必要であることから、現在、「庁内検討委員会」を設置し、基本的な位置付けや、施設の役割・機能等について協議・検討を始めたところである。
 意見・要望の集約にあたっては、従来、公民館とのかかわりが少ないとされてきた若者層の意見を取り入れるため、ワークショップ形式の意見交換会や公民館関係者による専門部会の設置、あるいは、民間コーディネーターによる情報提供などを検討していく。

<質問>
 中央公民館が生涯学習の中核拠点としての施設を目指し、意見を集約していくとあったが、いつまでにとりまとめていこうとしているのか。
 また、駐車場の問題は早急に庁舎内で検討していただき、君津市立中央図書館が開設時に公民館活動に支障のないよう要請する。

<回答>
 およそ、14年度半ばを目安として、意見集約や方向性をとりまとめ、次期まちづくり計画に反映させたい。


(2)スポーツ・レクレーション施設の整備について
<質問>
 スポーツ・レクレーション施設の整備については、生涯学習としての青少年の健全な育成や地域コミュニケーションの場、さらに市民の皆様の健康・体力維持そして、市全体の活力にとっても重要な施策である。
君津市には満足に野球大会の出来る場所がない、新たな野球場や総合陸上競技場の建設の考え、さらに、今後の各施設の整備の考え方について聞きたい。
また、ナショナルトレーニングセンターの誘致の実現は、多くの優秀選手はじめ関係者との、ふれあう場ができ、市民の皆様のスポーツに対する意識はじめ、スポーツ振興にも大きな影響を与え、生涯学習といった面から願ってもないチャンスと考える。そこで、ナショナルトレーニングセンター誘致の取り組み状況について聞きたい。

<回答>
 現在、市ではスポーツ振興マスタープランを策定中であり、スポーツ施設の整備計画については、今後このプランの中で具体的に取り組んでいく。全市的で中核的なスポーツ施設については、国や県の施設の誘致を踏まえるとともに、市民の要望や意見も参考にし、各種大会が実施できる施設の規模、設置場所について調査・研究していく。
 また、各地区のスポーツ広場についても、専門競技施設への改修も含めて、トイレの水洗化や駐車場整備および夜間照明の設置など進めていく。
ナショナルトレーニングセンター誘致については、これまでもモデルプランを作成し国や県および関係機関に要請してきた。今後は、市のスポーツ振興マスターブランの策定を踏まえ、国などの動向について情報を収集するとともにJOC関係者等と協議をし、誘致活動を進めていく。

(3)高齢者の憩いの場の整備について
<質問>
高齢者の皆様については、生涯学習の観点から、新たなことへの挑戦や、これまで培った能力技術を生かし、社会貢献を含めた、地域の一員としての自覚が持て、生きがいをもって生活していくことが必要と考える。
こうした状況を踏まえ、コミュニケーションの場づくりが必要と考えるが、高齢者の皆様の憩いの場の整備について、どのように考えているのか。

<回答>
高齢者がいつまでも健康で、生きがいを持って地域での生活をおくれるよう、健康づくり施策の展開と仕事や余暇、家族と地域、仲間とのふれあいなど、多様なニーズに対応した生きがいづくりが重要と考える。
高齢者の方々が利用している公園やゲートボール場、公民館やコミュニティセンター、自治会館等の施設整備については、「福祉のまちづくり総合計画」を基本とし建物、公園など公共性の高い施設のバリアフリー化を図り、障害者や高齢者を含めたすべての人が快適に利用できる施設を目指す。

<質問>
地域における自治会集会施設は、当該地域の高齢者の皆様が家の中に閉じこまないよう、車を使わず、人の手をわずらわせないで、気軽に自力で散歩程度で歩いていける高齢者にとって憩いの場として、これから、さらに重要な施設である。
 現在のこうした施設は使用時に会館の鍵を借りて使用しており、会議や行事などが中心となっている。
 市は、建設時、改修時に補助金による支援を行なっているが、施設管理・運営のすべてを地域の自治会で行なっていることから、行政としては、慎重な対応が必要と考えるが、市民の皆様がより充実した地域における生活を送っていただきため、そして施設の有効活用の観点から、地域自治会と十分連携をし、きめ細かな運営を含めた整備が必要と考える。この点について、市の考えを聞きたい。

<回答>
地域の集会施設は市民の最も身近な施設の一つとして、高齢者に気軽に、自ら歩いていける、また、いつでも利用できる身近な施設として今後、ますます重要性が増すものと認識している。
 今後は、自治会集会施設の管理運営について、ソフト面からも先進事例を研究し、普及するなど、君津市自治会連絡協議会や地区自治会長会とも連携し、高齢者やからだの不自由な方など、いわゆる社会的弱者にも喜んで使っていただけるよう、自治会と協力し運営の改善に努めてまいりたい。

3.学習機会の拡充について
(1)公民館活動の充実について
<質問>
公民館は、より多様化する市民の皆様のニーズに沿った事業を行なわなければならない。
市は、現在、市民の皆様の要望や学習動向をどのように把握し、その意向をどのように公民館事業に生かしているのか。また、公民館事業と地域の皆様との連携をどのように取られているのか。

<回答>
市民ニーズの的確な把握と公民館の有効活用を図るため、公民館運営審議会の調査研究活動、公民館利用者連絡協議会、利用者懇談会との連携をとおし、地域住民の学習要望、動向の把握に努めている。一方、各館で発行する公民館報では、市民による編集委員会活動の展開のなかで、今日的な地域課題、生活課題を掌握するなど、市民の要望と学習内容を公民館事業に反映させている。
今後、講座・学級など各種事業を実施するなかで、地域で組織する団体や各種サークル等とより密接な連携を深め、市民ニーズを捉えることはもとより、若者や勤労者層の参画を視野に入れた事業の取り組み、また、市民との双方向の連携の広がりを促進するため、インターネットを活用したシステムの構築等も検討していく。

4.学校教育の充実について
(1)新学習指導要領について
<質問>
 学校教育は、次代を担う子供を生涯にわたって必要となる基礎的、基本的な能力を身につけさせるとともに、国際化・情報化社会に対応できるよう育てていくという重要な役割を持っている。
2002年度から「ゆとり教育」の実現や「生きる力」を育んでいく新学習指導要領にもとづく「完全学校週5日制」がスタートするが、「完全学校週5日制」および「総合的な学習の時間」の実施に対する準備状況について聞きたい。
次に、チームティーチングを実施し、少人数指導、小グループ学習を行なっているが、学級規模について1学級35人を目途に、それに見合った教員の定数を確保していき、特に、小学校低学年については、優先的に学級規模の縮小をすすめることが必要と考えるが、この点についての考えを聞きたい。
 また、男女共同参画社会にむけ、小学校の段階から男女平等社会を促進する教育を行なうことが重要と考えるが、こうした点についても考えを聞きたい。

<回答>
この学習指導要領では、ゆとりをもって学習できるよう授業時数を縮減し、教育内容は社会生活を営む上で必要とされる基礎的・基本的なものに厳選されている。学習内容が削減されたことにより、一部に学力低下などを心配する意見もあるが、教育内容を基礎的・基本的な内容に思い切って厳選することによって、子どもたちがゆとりの中でじっくりと学習し、基礎・基本を確実に身につけることができるよう教育課程編成にあたっての配慮事項を各学校へ指導している。
 周南中学校の公開研究会では、数学科の授業で習熟度別に編成された学習が行なわれたり、英語科の授業では外国語指導助手を含む3名によるティームティーチングを実施するなど、個に応じた指導が実施されて成果を着実に上げることができた。こうした取り組みは市内のすべての学校で試行され、週5日制に向けての準備が整いつつある。
 総合的な学習への準備としては、教育課程検討委員会の中で、手引き書を作成・配布したり、各学校へ実施に伴う予算措置を行なっている。
 次に、少人数学級編成については、今後とも千葉県市町村教育委員会連絡協議会を通じて、当面35人学級編成、特に、小学校低学年での早期実現を目指して、国・県に働きかけを進めていく。
 平成13年3月「千葉県男女共同参画計画」が策定され、真に男女平等を実現するには、学校・家庭・社会などあらゆる場において人権尊重や男女平等に関する教育が不可欠であり、学校教育が果たすべき役割が大きいことが、指摘されている。そこで、本市においても、積極的に男女平等教育を推進し、男女混合名簿の早期導入に努力するとともに、教職員、児童生徒等の意識の改革を図ることを積極的に推進していく。

(2)学校・家庭・地域の連携について
<質問>
 子どもの健全な育成には、学校・家庭・地域が連携をとりながら一体となり、取り組んでいかなければならない重要な課題である。 そうした中、地域実態に応じた、地域主導型による情報交換の場づくりに取り組まれていますが、その取り組み状況について聞きたい。
 また、その一環として地域の人材活用について、市は「君津さわやかスクールボランティア」を設置し、取り組んでいるが、その進捗状況についても聞きたい。

<回答>
今年度新たに、二つの中学校区においてコミュニティ組織の設置を進めている。
 周西南中学校区は、PTAや青少年相談員はもとより、自治会をはじめとする多様な地域の関係団体の協力・支援のもとに、「周西小・周西南中学校区青少年健全育成連絡協議会」を立ち上げ、第1回設立総会を開催した。具体的な取り組みは、子ども110番の家の設置をとおし、地域ぐるみで青少年育成に取り組むことの必要性について保護者・家庭、さらには地域全体への浸透を図っている。
 八重原中学校区においても、PTAを中心にコミュニティ組織を立ち上げた。今後、未設置地域への支援活動を強化するとともに、家庭を含む地域社会のなかで、子どもが地域の一員であることを実感できるような環境整備・コミュニティの醸成に努めていく。
 次に、地域の人材活用については、本市では「君津さわやかスクールボランティア事業」に平成13年度から取り組んでいる。11月30日現在での登録者は230名に達している。
 小学校で延べ478回で1,398人の参加あり、内容は、読み聞かせはじめ、総合的な学習への支援として、福祉、国際理解教育、昔の遊びなど自分の職業で得たものや、地域の伝承文化などを積極的に子どもたちに伝えている。
 中学校では延べ190回371人の支援があり、野球やバスケットボールなどの部活動へのボランティアが多い。
 今後とも、多くの市民の方々に協力していただくとともに、ますます地域に開かれた学校づくりを目指していく。





 
     
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